※本記事は2017年5月に執筆しましたが、その後日本通信よりソフトバンク回線で音声通話つき格安SIMが発表されています。これについては以下の記事で取り上げていますのでこちらもご参照ください。
以下の内容は音声通話付きプランがなかった2017年5月時点のないようなのでご承知ください。
こんにちはトリグラフです。今日はファッションに関係のない記事になります。
4月下旬に長年契約していたソフトバンクから格安SIM(MVNO)のOCNモバイルONEにMNP(番号そのまま転入)しました。
元のソフトバンクで使っていたのはiPhone6で、OCNモバイルONEにMNPするにあたりAppleでSIMロックフリーのiPhoneSEを購入してのMNPです。
今は格安SIMへのMNPがしやすい状況になってきていますが、中でもソフトバンクで古い(2015年4月以前発売…iPhone6も該当)機種を使っている場合、ちょっとハードルが高くなります。
ですので、今更ではありますが、自分のたどった今回の格安SIMへのMNPについて解説してみたいと思います。私と同じor似た状況の方の参考になれば幸いです。
※実際に格安SIMへMNPする場合には、料金プランや対応機種等をご自身でよく調べたうえで行ってください
- まずは基本用語の簡単な解説
- なぜ格安SIMへのMNPを考えたか?
- 今使っているiPhone本体はそのまま使えるの?
- 格安SIMはほとんどがドコモかauから回線から借りている
- ソフトバンクから回線を借りている格安SIMは日本通信のみ、しかもMNPできない
- iPhone6は古いのでSIMロック解除もできない
- というわけで、ソフトバンクのiPhone6を端末そのままで格安SIMにMNPはできない
まずは基本用語の簡単な解説
本論に入る前に基本用語を簡単に解説します。基本的なことだけ書きますので、詳しくは皆さんでGoogle先生に聞いてみてください。
格安SIM(MVNO)って?
格安SIMというのはドコモ、au、ソフトバンク(以下、大手キャリアといいます)から回線を借りて通信サービスを提供している会社が提供しているSIMカード(通信に用いるチップ)のことです。
正確にはそういう会社をMVNOと呼び、そこが提供している契約プランが大体大手キャリアとの契約プランと比べて格安(同じ通信量で半額以下とか)であることから、格安SIMといった通称が生まれたのだと思います。
この記事で「格安SIM」といったら格安な契約プランを提供しているMVNOのことを指すこととします。
格安SIMはかなりの数がありますが、格安SIMにするときには
・通信速度は大手キャリアに比べて遅くなる(遅くなる時間帯がある)ということ
・キャリアメール(@softbank.ne.jpとかのメールアドレス)は使えなくなる、MNPしても持っていけないということ
・電話中心の人にはかえって割高になる可能性があるということ
・サービス(壊れた時の代替機貸与等)は大手キャリアより劣る場合があるということ
・大手キャリアを解約する時期によっては解約手数料が1万円くらいかかるということ
といったあたりをよく理解しておくほうが良いと思います。
この記事では、この辺をよく調べたうえで「格安SIMにしたほうが通信費節約できるし良さそうだな」という方を対象に話を進めます。
私が選んだのは比較的大手のOCNモバイルONEです。
MNPって?
現在使っている携帯電話番号をそのまま次の携帯電話会社(大手キャリアでも格安SIMでも)でも使えるようにする手続のことです。
現在使っている携帯電話会社からMNP予約番号を発行してもらい、それを新しい携帯電話会社に伝えることで携帯電話番号が引き継がれます。例えばソフトバンクのMNP予約番号の発行についてはこちらのページをご覧ください。
ソフトバンクから他社へ変更する場合 | お客さまサポート | モバイル | ソフトバンク
以前は携帯電話会社を変えたら携帯電話の番号が変わってしまうのは当たり前でした…若い人には想像できないかもしれませんが。
この記事ではMNPすることを前提としています。
SIMロック(解除)って?
大手キャリアが出しているスマホは、その会社の回線でしか使えないようにSIMカードにロックがかかっています。これをSIMロックといいます。
SIMロックがかかったままだと、例えばソフトバンクからドコモにMNPする場合、スマホ本体はそのまま使おうとしてもソフトバンクの回線でしか使えないロックがかかっているので、新たにドコモのスマホを買う(か、次に解説するSIMロックフリーのスマホを買う)しかありませんでした。
以前は大手キャリアがかけたSIMロックはまっとうな方法では解除できませんでしたが、総務省のお達しにより2015年5月以降に発売されたスマホでは、一定の条件下で大手キャリアでSIMロックが解除できるようになりました(手数料がかかります)。
例えばソフトバンクのSIMロック解除についてはこちらのページをご覧ください。
ソフトバンクの携帯電話を他社で利用する / SIMロック解除 | SIMロック解除、他社製品でのソフトバンクのご利用について確認する | お客さまサポート | モバイル | ソフトバンク
SIMロックフリースマホって?
前述のSIMロックが解除された状態のスマホのことで、これには
(1)上記のように大手キャリアでSIMロックを解除したスマホ
(2)元々SIMロックがかかっていないスマホ
の2つがあります。SIMロックフリースマホは「SIMロック」が「フリー」なので、どの会社の回線でも使うことができます。
今回私はAppleストアで(2)のSIMロックフリーのiPhoneSEを購入しました。
さて、基本事項の解説はこれくらいにしまして、次からが本題であります。
なぜ格安SIMへのMNPを考えたか?
今回私が格安SIMへのMNPを考えたのは、やはり月々の携帯にかかる料金を安く抑えたいということがありました。
私のiPhoneの使用環境としては
・電話は殆どしない
・データ通信は毎月5GBかそれ以上使う
・iPhone6の性能には満足している
という感じでしたので、今使っているiPhone6をそのまま格安SIMにMNPできれば1番でした。
格安SIMが登場してからこれまでMNPしなかったのは、自宅の固定通信をホワイトBBにしていて、そちらでの割引が大きく入っていたのが理由です。
こちらを詳しく書くとそれだけでかなり長くなりますので今回は割愛します。
ただ私の契約解除月(契約解除しても解約手数料約1万円がかからない月)がちょうどこの3・4月でしたので、このタイミングで改めてMNPを検討したということです。
今使っているiPhone本体はそのまま使えるの?
「iPhoneって格安SIMでも使えるの?」というのはよくある質問のようなのですが、これは大雑把に言うと大体使えると思います(iPhone4S以前は対応していないところが多いようです)。
ただし「ソフトバンクかつiPhone6以前のiPhoneって格安SIMでも使えるの?」という限定が付きますと、実質的には使えないといってもいいのではないかと思います。ちょっと長くなりますが解説していきます。
格安SIMはほとんどがドコモかauから回線から借りている
基本用語の解説のところで、格安SIMは大手キャリアから回線を借りていると書きましたが、多くの格安SIMはドコモから借りており、一部の格安SIMはauから借りています。
更に基本用語の解説のところで、SIMロックのかかったスマホはその大手キャリアの回線でしか使えないと書きました。
つまり、ドコモのスマホは(SIMロック解除しない限り)ドコモから回線を借りている格安SIMでしか使えず、auのスマホはauから回線を借りている格安SIMでしか使えないのです。
ただし前述のとおり、多くの格安SIMがドコモから回線を借りていますので、ドコモで購入した機種はSIMロックがかかったままでも多くの格安SIMで利用できます。またauで購入した機種でも数は少ないですがSIMロックがかかったまま利用できる格安SIMはあります。
じゃあソフトバンクは…というと、ちょっとお寒い状況なのです。
ソフトバンクから回線を借りている格安SIMは日本通信のみ、しかもMNPできない
2017年5月8日現在で、ソフトバンクから回線を借りている格安SIMは日本通信だけです(Y!モバイルは格安SIMには含めていません)。
ソフトバンクネットワーク対応格安SIM b-mobile S 3月22日ついに開幕|日本通信株式会社
これも2017年3月からとごく最近なのですが、私はこれをニュースで知って「ああ、やっとソフトバンクのiPhone6でも格安SIMにMNPできるな」と思ったものです。
ところがよく調べますと提供しているプランは「データ通信のみ」のプランで、今の携帯電話番号をそのままMNPはできなかったのです。というか携帯電話番号を持つことができません。詳しくはこちらの記事でレビューされています。
koreimakaidesuka.hatenablog.com
※上にも書いたように、2017年8月16日から日本通信で音声通話つきの格安SIMが出るようですので、乗り換え検討中の方は料金プラン等の詳細が出てから検討すると良いと思います。
iPhone6は古いのでSIMロック解除もできない
とはいえ、基本用語の解説のところで、大手キャリアのスマホも一定の条件下でSIMロックの解除ができるようになったと書きました。
そのため、ソフトバンクのスマホであっても、2015年5月以降に発売されたスマホであれば、一定の条件下で手数料を払えばSIMロック解除ができます(ソフトバンクの場合は更に機種の縛りもあるようです)。
SIMロック解除さえできれば、格安SIMで動作確認されていれば使えると思いますし、iPhoneなら5以降であれば大体使えるようです。
ただしiPhone6は2014年秋発売ということで、このSIMロック解除の対象外なのです。
というわけで、ソフトバンクのiPhone6を端末そのままで格安SIMにMNPはできない
以上まとめますと
(1)格安SIMの会社はほとんどがドコモかauから回線から借りている
(2)そのためドコモやauで買った機種はSIMロック解除しなくても格安SIMへMNPできる(場合が多い)
(3)ソフトバンクから回線を借りている格安SIMもあるがMNPはできない(携帯電話番号が持てない)
(4)iPhone6はSIMロック解除の対象外
となり、2017年5月8日時点でソフトバンクのiPhone6を端末そのまま使って格安SIMへMNPすることはできないのです。
最初に「格安SIMへのMNPがしやすい状況になってきた」と書きましたが、2015年5月のSIMロック解除義務化はソフトバンクユーザーにとって一番メリットがあるんですよね。これにより格安SIMへの端末そのままMNPの道が開けましたから。
ただし、2年以上前のスマホを使っているソフトバンクユーザーにはまだまだハードルがあるということです。
ここで「大手キャリアなら2年以上前のスマホなんて普通使ってないだろ…」という方もおられるかと思います。私も実際そう考えていました。
しかし私の観測範囲だと、iPhone6どころか5Sや5、というか4Sも大手キャリアで現役だったりするんですよね。
大手キャリアだと大体端末の割引が毎月入って最新機種でも端末代が実質0円とかありますが、逆に古い機種を使い続けても安くなるわけではないので、端末代の毎月の割引がなくなったらさっさと新しい機種にしてしまうほうが同じ費用で新しい機種が使える場合があります(iPhoneだと容量が大きいものは実質0円になりませんが)。
ただしスマホに対して興味のない方だと、別に今の機種で何の不便もないのにわざわざ変える必要ないよ、面倒だよ、となるようです。
ただ一方で、そういう方でも携帯代を安くしたい、という思いはあるようです。
そのためこういった記事でも公開する意味あるのでは?と思った次第です。
さて、ソフトバンクのiPhone6(以前)での格安SIMへのMNPのハードルを書くだけで、えらい長くなりましたね。長くなったので目次も初めて使ってみました。
というわけで、私が実際にMNPした経過は次に持ち越ししたいと思います。
→書きました
※記事冒頭にも記載しましたが、実際に格安SIMへMNPする場合には、料金プランや対応機種等をご自身でよく調べたうえで行ってください