ビジネスマンのファッションTips

スーツのビジネスマン/サラリーマン向けファッションブログです

【サイズ選び】J.M. WESTON 598のレビュー【履き心地】

ピックアップ記事

スポンサーリンク

こんにちは。今日は、前回開封の儀を行なったウエストンの598のレビューをお送りいたします。前回の記事はこちら。

今回は靴のレビューから気になるサイズ選択、履き心地までまとめました。私にしてはかなり長めの記事となりましたが、こういった情報は一つにまとまっている方が良いと思いましたので。もちろん興味のある部分だけ読んでいただければと思います。

また、本記事中で触れる仕様等は2022年3月時点の情報となります。

目次

上からはほっそりシェイプ

では早速靴のレビューに移りましょう。

f:id:triglav769:20220324123630j:plain

改めてこちら、J.M. WESTONの598、通称ハーフハントといわれるモデルです。価格は148,500円、J.M. WESTONの丸の内店で購入しました。

アッパー素材は黒のボックスカーフでソールはラバー、サイズは5ハーフCとなります。サイズ選択についてはあとで詳しく書きますね。

いやー、この上から見た時のほっそりとした優美な感じがたまりませんね。以前はもう少しぽってりしたラストだったようで、そちらの方が好きという方もおられるでしょうが、私はこのほっそり具合が好きです。

靴の種類としてはUチップなので、フォーマル度が高いわけではないのですが、それでこのシェイプというのがとても気に入っています。個人的にはスーツからジャケパン、休日の装いまで結構幅広く使っていけるのではないかと考えています。

ラバーソールなのでコバの張り出しはややあるのですが、それでもすごく綺麗です。

自分が靴を履いている時によく見えるのはこの角度だと思いますので、この角度がカッコ良い靴を選ぶと幸福度が増すのでは?と思っています。下を向いて歩いてて事故を起こさないよう注意しないと(笑)。

続いてトゥのアップ。

f:id:triglav769:20220324123633j:plain

モカ部分は三重のステッチが綺麗に並んでます。爪先のスプリットシームまで乱れはありません。

このスプリットシームは、モカが小さく爪先部分が長いことから構造上必須なのかもしれませんが、デザインの上でも良いアクセントになっているように思います。鼻先を長く見せ、優美な印象に一役かっているのではないかなと(素人の感想です)。

革の質感は非常に良いですが、柔らかくてモチモチというよりは、結構固めな印象です。ラバーソールとあいまって、返りがつくまで履き込むのに結構時間がかかりそうです。

ちなみに、購入時にウエストンの店員さんにシューケアしていただきましたので、そのままの状態です。履く前の「プレメンテ」というのも色々あるようですので、こだわる方は色々調べてみてください。

横顔は意外にぽってり

続いて真横から。

f:id:triglav769:20220324123636j:plain

この角度だと結構ぽってりして見えますね。上からの見た目とはギャップがあります。5ハーフというレングスのせいで少し詰まって見えるのもあると思いますが。

爪先からモカまでの立ち上がりの角度は結構急ですし、羽根部分も結構高さがあります。ウエストンの複数の店員さんも、この靴は甲は比較的高めというふうに仰っておられました。

また履き口もやや広めでしょうか。

そしてゴツめのラバーソールが目をひきますね。ソールについては後で触れますが、実はドレッシーなシングルレザーソールの仕様が無いのです。

元々このデザインはフランスだと狩猟に用いられていたようで、横顔やソールの仕様にはその面影が見てとれるのではないでしょうか。

ちなみにウエストンの(というか、既成靴の)最高価格の靴は677で通称「ハント」と言われているもので、私が買ったのは「ハーフハント」。なんとなくハントの半分なんでしょうか(笑)。ちなみにハントの値段はハーフハントの3倍近いです…

レングス表記に注意

続いて内側の印字を見てみます。

f:id:triglav769:20220324123643j:plain

この印字でいろいろなことがわかるようです。

2行目の印字の左二桁25がラスト、

次の三桁101が革の種類、

次の三桁598がモデル品番、

最後の二桁21がソールの種類、のようです。

こちらは、革靴ブロガーとして有名なもでぃふぁいど さんの記事を参考にさせていただきました。どの記事もすごく楽しいブログなので未読の方は是非!

で、1番下の行の5/Cというのがレングスとウィズなのですが、ここで一つ注意が。

ウエストンのレングス表記は変わってまして、/(スラッシュ)一文字で「ハーフ」という意味になります。

つまり5/Cは普通に書くと5 1/2 Cで、5ハーフC。レングスをハーフサイズ上げると6Cとなり、更にハーフサイズ上げると6/Cとなります。

ネットのユーズド市場だと、これを知らない方やお店が5/Cを「5C」と表記している例が時々あります。まぁ普通に考えればスラッシュはレングスとウィズを区切っている記号と考えますよね。

もしネットでユーズドを探しておられる方はちょっと注意が必要です。

次はインソールのロゴ。

f:id:triglav769:20220324123626j:plain

こちら現行のロゴですが、ひとつ前のロゴはもう少しシンプルなロゴでして、さらにそれより前は現行ロゴにそっくりなロゴです。勿論時間軸としては現行ロゴが二つ前のロゴを真似たわけですが。

んで、ネットだと二つ前のロゴを「旧ロゴ」と書いてある記事も多く(数年前までは確かにそうでしたので)、一方で最近買ってすぐ手放したようなユーズド品は現行のロゴですから、んん?これ、新しいのか?古いのか?となったりして、ちょっとカオスです。まぁ二つ前のロゴのものはインソールの色自体も変わってきてますから、大体わかりますけどね。

ソールはラバーソール

ソールは先に書いたようにラバーソールです。

f:id:triglav769:20220326154720j:plain

ぱっと見は、イギリスのハルボロラバー社のリッジウェイソールに似てます。ハルボロラバー社から供給されているのかどうかは定かではありません。真ん中にJ.M. WESTONのロゴがあります。

私は普段からビブラムソールやダイナイトソールの靴を履いておりますが、それらに負けないくらいグリップ力はあるでしょうね。雨の日でも安心ですが、当面は雨の日に履く気にはなれません(笑)。

ちなみに2022年3月時点で、日本だとブラックボックスカーフの598では3種類のソールがあります。どれも価格は同じです。

一つは私の購入したリッジウェイ風のラバーソール。そしてもうひとつ、トライアンフラバーソールと呼ばれているラバーソールがあります。

f:id:triglav769:20220326161448j:plain

画像はハーフハント ブラック から取得

上記ページの説明文だと「エレガンストとコンフォートを両立する革新的なトライアンフソールは、グリップ力、耐久性にも優れ、アクティブなライフスタイルに華を添えます。」とのことですから、リッジウェイ風ソールの進化系なのかもしれません。

ただし、このソールのものは日本にはDウィズとEウィズしか入ってきていないとのことで、私は選択することはできませんでした。

そしてもう一つはレザーソールですが、これはダブルレザーソール。

f:id:triglav769:20220326162103j:plain

画像はハーフハント ブラックボックスカーフ から取得

これはレザーソールを重ねたもので、上から見た時はラバーソールよりもコバが張り出しており、通常のレザーソールのドレッシーさというよりは、屈強さが際立つようなソールかと思います。

シングルレザーソールが無いという辺り、598の出自が狩猟用というところに根ざしたチョイスなのかもしれません。

普通、ラバーソールとレザーソールだと、レザーソールのほうがソールの返りがよく、カカトがついてきやすいというメリットもあるのですが、このダブルレザーソールではそれはあまり期待できません。加えてこちらもマイサイズは日本にはないようでした。

サイズの合う方は、レザーソールの履き心地が好きであればこちらも良いと思います。爪先に最初からスチールがついているのもちょっとお得な感じがしますしね。

ちょっと気になるヒールカップ

最後にヒールカップ。

f:id:triglav769:20220324123640j:plain

履き口の絞りは強くはありません。カカト自体も大きいというわけではないですが、小さいというわけでもないでしょう。

ところで、両足ともカカトの当て革の左右にポッチがあるのがお分かりでしょうか。

これ、実は穴が空いています。反対側からの画像の方が分かりやすいです。

f:id:triglav769:20220324124024j:plain

両足とも、内側は高い位置、外側はそれより少し低い位置に黒く穴が空いています。

これは、革を釣り込む(木型にあわせる)時に釘を使うためにできる穴です。

私の持っている他の革靴だとどこにあるのか分からないのですが、この靴は結構分かりやすいところに穴が開いています。

で、598にこういう穴がある事は知っていたのですが、二つずつある例は、ネットで探しても出てきませんでした。

次に、右足のカカトのアップ。

f:id:triglav769:20220324124626j:plain

こちらは、当て革に少し爪で押したようなくぼんだ跡があります。

二つある穴と合わせて、少し気になりました。勿論両方とも着用に支障はないですし、どちらもほとんど分からないレベルです。不良品とはとても言えないでしょう。でももしかしたら…

といっても、店員さんにこんな事確認するのもなぁ…

考えた末、やっぱりお店に問い合わせることにしました。不良品かどうか気になったまま外で履きたくないというのもありますし、一応ファッションブロガーの端くれなので、こういう個体が私のところにやってきたからには、確認結果をブログに書いておくべきだろうという、謎の使命感もありました(笑)。

というかそもそも、ブログやって無かったら気づいてないと思いますけど。

そういうわけで上の写真を丸の内店の店員さん(買った時と同じ方でした)に見せてお話を伺ったのですが、

「釣り込みの穴が二つある個体もあります ものによっては当て革の左右同じ側に二つあいているものもあります」

「くぼんだ跡も不良品ではありません」

というご回答でした。 

まぁ、正直店側としてはこのようにしか回答できないと思いますが、やっぱり聞いておいてよかったです。不良品ではないと分かり、スッキリしたという思いです。

店員さんは申し訳なさそうに「気になりますよね、ご購入の時にご説明しておけば良かったです」とおっしゃっておられました。お時間を取らせて申し訳ないと思いつつ、やはり聞いておいて良かったです。

ただ、私は購入前に説明されていても間違いなく買ったでしょうが、どうしても気になるという方もおられるでしょう。なので気になる方は、購入前にカカトを確認することをオススメします。

購入前であれば、別の個体を用意してもらえるかどうかはともかく、購入をやめることはできるはずです。一方購入後に気づいても、これを理由に返品するのは、難しいかもしれませんからね。

純正修理について

箱に同封されていたパンフレット。

f:id:triglav769:20220327153617j:plain

よく言われている「一度ウエストン以外で修理した場合は、以後ウエストンでは修理は受け付けない」というのは、このパンフレットにも書かれています。純正修理はオールソール3万円、ヒール交換6500円という値段設定(多分税抜)。

ウエストンの純正修理については、ネットを検索するといろんな記事が出てきますので、興味のある方はそちらを。

この靴はラバーソールなのでトゥスチールやハーフラバーは不要ですし、オールソールもまだまだ先ですから、そういう時が来たら考えれば良いでしょう。

サイズ選択について

私が5/Cを履いたところはこんな感じです。

f:id:triglav769:20220326163428j:plain

うーんカッコ良い!というところはさておき、左足は羽根が閉じてしまいそうです。こちらはUNIQLOさんのカジュアル用ソックスで履いてますので、ドレス用の薄手のものだと多分閉じ切ってしまうでしょう。

ウエストンはウィズ展開が豊富と前回書きましたので、これが果たしてベストか?という疑問もあるかと思いますが、私は「取りうる選択肢の中でベスト」と言えます。

まず普通に考えれば5ハーフのBウィズを試したいところですが、日本には在庫がない、と言われました。

じゃあフランスから取り寄せるか?と言っても、元々コロナ禍で取り寄せに時間がかかっている上、ウクライナ情勢もあり、いつになるか分からない、とのことでした。

さらにフランスからの取り寄せというのは、日本国内で試着のために取り寄せるのとは違い、購入しての取り寄せになるでしょう。試着もせずに小さいサイズの靴の購入を決めるのは、かなりリスキーです。

そして、仮にBウィズが試着できたとして、BウィズがCウィズより優れていそうなのは、左足の甲部分のフィットという、おそらくその1点です。

上の写真をもう一度見てもらうと、右足は羽根が1cmほど開いております。これは新品の開き方としては適切かなと思いますので、右足はCウィズで良いわけです。また両足とも小指あたりに少し圧迫感があるので、足幅としてはこれ以上ウィズを下げたくはないのです。

5/Bがないので次善の策として、5Cという選択肢もありました。こちらは実際に試着しましたが、レングスを下げた分、爪先の圧迫感があり、長い時間履くには少し不安がありました。特に左足のレングスは6に近いくらいと言われており、5というレングスだとかなり不安です。よく言われるように、ウィズは伸びてもレングスは伸びませんからね。

というわけで、今回の5ハーフCというサイズ選択は、598を買うという前提のもとではベストだったと思います。

いずれソールが沈むと左足の甲の締め付けが緩くなりそうですが、その時はその時で、タンパットはるとか何か考えます。

参考までに、私は他の靴は以下のサイズで履いています。あまり有名どころはないのですが…

・C&Jのキャベンディッシュ3は5.5(緩めですがカカトはついてきます)

・パラブーツのアドニスは5(キャベンディッシュ3よりフィット感は良いです)

※上の二足は割と履き込まれたユーズドを購入しています。

・WFGとペルフェットのダブルネームは5(足がやや前滑りする感じ)

・宮城興業のパターンオーダーはESタイプで24.5cmのBウィズ、タンパットいり(ウィズはきつめ、かかとゆるめ)

またウェストンだと、180シグニチャーローファーは5Cか5/Bを勧められました。こちらは試着のみとなります。

硬いしっかりした履き心地

続いて履き心地です。なお、休日の2時間程度の外出と、平日の丸一日の出勤とでの感想となります。

はじめて外で履いた時の第一印象は「硬い、重い」でした。

革靴自体は平日に毎日履いてるので慣れてるはずなのですが、革やソールがこれまで履いた革靴よりも硬くて重いのでしょう。上から見た優美な顔つきとは大分違います(笑)。また、特に左足のかかとの抜けが気になりました。

かかと抜けは試着の時から想定しており、履き込んでいくことでソールの返りも多少良くなるでしょう。硬い、重いというのは、店舗のカーペットの上を少し歩くだけだとなかなか分かりにくいですが、よく考えたら新品の革靴を買うのが3年振りでして、その辺のバイアスもあるのかもしれません。

ウエストンの革靴でよく言われるのが「修行」というもので、最初キツめのサイズを買って履き込んでいくことで馴染ませていくというアプローチです。私も5Cのローファーを試着した時は「これは最初キツそうだなぁ」と思いました。

今回の598はそもそも、下のウィズを試着したくてもできなかったので、修行にはなりそうにないとは思っていましたが、やはり履いていられないような痛みや靴擦れはなさそうなので一安心。ソールに返りが着くまでの間が修行期間となるでしょうが、安心して馴染ませていけそうです。



今回は598のレビューをお送りしました。普段、読者の皆様の役に立たない記事ばかり書いていますが、今回は人気のある革靴を新品で購入したということもあり、わりとしっかり目に書いたつもりなので、購入を検討されている方に少しでも役立つ情報があれば幸いです。

特に片足のヒールカップに二つ穴が開いている例については、他に書かれている記事が見当たりませんでした。あまり多い個体ではないはずですが、こういうものもあるのだということを知っておいて損はないと思います。

高価な靴ではありますが、実用性も十分ですので、これからはなるべく毎週1回は履いて馴染ませていきたいと思います。

と締めつつ、実はウエストンシリーズはまだまだ続きます。次回は「なるべくお得にウエストンを買う方法」を書く予定です。あるいはこちらの方がニーズがあるかも?ではでは。