こんにちはトリグラフです。小柄な男性のスーツスタイルTipsの2回目、まずは基本中の基本、サイズについてです。総論を書いた前回の記事はこちら。
スーツスタイルにおけるサイズ合わせは、体型に関わらず重要です。大きすぎるスーツもみっともないですが、小さすぎるスーツも滑稽に見えますね。スーツ(含むスラックス)だけでなく、シャツのサイズも重要です。
そんな重要なサイズ合わせですが、本記事では具体的なサイズ合わせのポイントではなく、スーツで何故サイズが重要なのかを少し考えてみます。
具体的なサイズ合わせのポイントはこちらの記事をご覧ください。
スーツの三要素:サイズ、デザイン、生地
スーツの見た目は何で変わるかというと、一つ目はサイズが合っているか、二つ目はデザイン(シングルやダブルといった大きな違いから、ラペル幅といったディテールまで含みます)、三つ目は生地です。仕立てがいいかどうかはサイズやデザインに含むとしますと、この三点と思います。言いかえればこの三点でスーツの構成要素なわけです。そして私はこの三点は、この順番でスーツの格好よさへの影響度が大きいのではないかと思います。つまり1番影響度が大きいのがサイズ、次がデザイン、最後が生地というわけです。
勿論、生地によってスーツの印象は大きく変わります。しかしここで言っているのは「格好よさ」への影響度です。わかりやすい例でいれば、国産の4万円程度の生地で作ったサイズがバッチリのスーツのほうが、イタリアの艶めかしい光沢のある20万円の生地で作ったサイズがいまいち合っていないスーツよりも格好いいということです(もちろん着た状態での比較です)。
この考えはそれほど抵抗なく受け入れられるかもしれませんが、なぜそう言えるのか、私の考えは以下のとおりです。
サイズは『正解』がある
やや乱暴な言い方になりますが、サイズにはその人が1番格好よく見える『正解』があると考えています。その正解にどうやって近づくかがサイズ合わせであり、そこには『AかBかはお好みです』という余地はない、と言えます(正解はそれを見る人によって1つずつあるともいえますので、私にとっての『私が1番格好よく見えるサイズ』が他のだれかにとっての『私が1番格好よく見えるサイズ』と同じとは限りません。ただし最後は自分にとっての格好よさの追及になってくるでしょうから、答えは一つと言っていいと思います)。正解は1つであり、それにいかに近づくか、なのですから、これがシビアにカッコよさに効いてくるのは当然ではないでしょうか。
デザインには制約や流行があるが、自由度もある
次に格好よさに影響するとしたのはデザインです。ビジネス用途のスーツとなれば、デザインは完全に自由とはいきませんよね。例えば一つボタンスーツは少し厳しいでしょう。また例えばゴージラインの高さは流行があって、昔はもっと下でしたが、今はゴージラインが下にあるスーツはあまり格好良いとはいえません。とはいえ『シングルスーツかダブルスーツか』『センターベントかサイドベンツか』などは、どちらがより格好よいというわけではないですよね。つまりある程度の正解(制約や流行)はありますが、好みの部分、つまり自由度もあります。これがサイズの次にデザインがスーツの格好よさに効いてくると考える理由です。
生地は自由度=好みの余地が大きい
勿論、ビジネス用途のスーツの場合、生地にも制約、特に色はかなり制約がありますね。しかし例えばグレーとネイビーとブラウンとで、どれが一番格好いいとは言えないでしょう(似合う似合わないはあるかもしれませんが)。それらは『格好よさ』に対しては並列な関係です。一般には艶のある生地のほうが格好いいといわれていますが、だからと言って生地の魅力でサイズやデザインの欠陥を補うことは難しいでしょう。
つまり、自由度が小さいサイズ合わせのほうが格好よさに与える影響が大きく、自由度が大きい生地のほうが格好よさに与える影響が小さい。つたない図で表すと以下のようになります。
…いつになく力説しましたが、まぁ要はサイズが一番大事だよということです(それに少し理屈をつけてみたかっただけですね)。
ちなみに、小柄な人向けの話をしますと、小柄な人のほうが当然のごとくサイズ合わせもシビアになると思います。例えば、身長180センチの人がジャケットの着丈を1センチ詰めるかどうかで変わる格好よさの度合より、160センチの人の1センチでかわる度合のほうが大きい、ということになります。ですので小柄な人はサイズの合うスーツを探す・作ることがより重要になってきます。
サイズ合わせについては最初に書いたようにネットや本で勉強するのも良いですが、時間があればいろいろ試着をしてみるのがいいですね。それによってそもそも自分の好みを把握することにもつながると思います。
それと、サイズに拘ることはコスパもいいですよ。サイズへのこだわりは(時間の価値を考えなければ)タダですが、生地にこだわると、お金がかなりかかりますからね(笑)
今回は以上です。次回はようやく本論、ジャケット編に入りたいと思います。
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