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素材感のはなし

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こんにちは。そろそろ気候が秋めいてきて、秋冬物を着る機会も出てきたかと思います。いよいよファッションが1番楽しめる季節の到来ですね!

今日は、ファッションを楽しむ上で大切な「素材感」について書いてみたいと思います。

目次

素材感とは?

「素材感」という言葉はよく聞きますし私もブログで使いますが、まずは改めてその意味を考えてみたいと思います。多分、よく使われる素材感の意味は二つあると思います。

ひとつ目は素材を見たり触ったりした時の感覚のことで、例えば「光沢がある」とか「柔らかい」ということです。

そして二つ目は、それらの見た目、触り心地から受ける印象のことで、例えば「ドレッシー」とか「温かみがある」ということです。

実は、これだけなら「素材」というものの形容詞としても成り立つのですが、わざわざ素材「感」というのには、理由があると思っています。

例えばシルクは一般的に光沢があってドレッシーな素材で、ネクタイによく用いられる素材です。ではネクタイと合わせるスーツやジャケットはどうかというと、こちらで多く用いられる素材はウールで、シルクのジャケットはあまりありません。

ただしウールのスーツは様々な光沢のものがあり、ビジネスで着用する一般的なスーツは少し光沢のあるものが多いため、多くのシルクのネクタイと馴染みます。

つまり素材を合わせなくとも素材の見た目やその印象を合わせることが重要なわけで、このような文脈で「素材感」という言葉が使われるようになったのだと思います。

また例えば一口に「ウールのニット」といっても、ジョンスメドレーのようなハイゲージでサラッとした素材感のニットもあれば、

ケーブルニットのようなフワッとした素材感のニットもありますので、

ウールとかコットンといった繊維の種類というよりは、どんな生地なのかをみていく方が良いと思います。

素材感と季節

素材感と切り離せないのが季節です。他人に与える印象として、春夏っぽい季節感、秋冬っぽい季節感というのがあります。

季節に合った素材感のものを着るというのは、ファッションの大切なポイントです。

本来は、その季節の気候に合わせた服を身につけることで、自然と季節に合った素材感のものを身につけられるはずなのですが、今の日本は私が子供の頃の30年前と比較しても夏が長くて暑くなっていて、秋や春がかなり短く感じます。そのため体感に正直に合わせると、10月でもまだ半袖を着たりすることになります。

気候に合わせて、自身が快適に過ごせる服を身につけることが自然なのですから、◯月だからこんな服装はおかしい、というのもナンセンスです。暑いのに無理して長袖着て汗だくというのもどうかと思いますしね。勿論体調を崩してしまっては本末転倒です。

また最近ではUNIQLOさんのヒートテックに代表されるような、発熱素材の下着が出てきた影響で厚手のコートが不要になったり、そもそも都市生活者であれば公共交通機関と建物を出たり入ったりするなら厚手のコートはかえって邪魔だったりと、季節に合わせた素材というのも、昔と同じように考えるわけにはいかなくなっていると思います。

とはいえ、最初に書いたように秋冬がファッションのハイシーズンですし、この時期にしか着られないアイテムも多いですよね。ウールやカシミアのコート、ツイードのジャケットなどは、お好きな方も多いと思いますし、実際これらのアイテムを着るのはやはり秋冬に限られると思います。

このように考えると、ファッションを楽しむという範囲で、自身の体調に無理なく季節にあった素材感のものを取り入れていけば良いと思っています。

アイテムの素材感を「合わせる」のが基本

さて、素材感というのはアイテム単体で見るよりむしろコーディネートした時に重要になってきます。トップスとボトムス、あるいは靴や鞄も含めてそれぞれのアイテムの素材感がどうなっているか、ということです。

これらの素材感は「合わせる」ことが基本になります。これはスーツを考えれば1番分かりやすいですね。スーツといっても最近は化繊のセットアップも多いですが、それでも上下の素材や色は揃っていると思います。

上下の素材感や色が揃っているということが、相手に「整っている」「きちんとしている」という印象を与えることになります。

カジュアルなファッションで考えますと、例えばトップスには上で紹介したケーブルニットを合わせていて、ボトムスは外側がナイロン、内側がフリースで防寒仕様のこんなパンツを合わせることを考えてみてください。

これは上下とも秋冬物という点は揃っているのですが、上下の素材感が違うのであまりオシャレには見えません。ケーブルニットの素材感を活かすなら、下はコットンか少し起毛したウールのパンツが良いでしょう。

ネクタイをする場合なら、ジャケットとネクタイの素材感が大切です。私のインスタから二つ紹介します。

こちらは分かりやすく、秋冬物のジャケットにウールのネクタイを合わせた例。ネクタイはシルクでも良いと思いますが、光沢の強いサテンのネクタイだと少しネクタイが浮いて見えてしまいます。そういうコーディネートも時々してしまいますが…

こちらは同じウールのネクタイでもサマーウールのネクタイ。コットンのツイルのようなサラッとした感じで、同じコットンのスーツに合わせました。

このように、アイテムの素材感は合わせる、統一させていくというのがオシャレに見せるための基本になります。

素材感をあえてずらす場合

素材感は合わせるのが基本と書いたのですが、意図的に少しずらす場合もあります。

例えば下の画像では、ジャングルファティーグにあえてウールのスラックスを合わせています。

この場合、ジャングルファティーグの素材感と合わせるならコットンのパンツやジーンズがマッチしてくるのですが、そうなるともっとカジュアルな印象になります。

カジュアルに見せたければそういうコーディネートでも問題ないのですが、ここでは少しきれい目に見せるためにあえてウールのスラックスを合わせています。

このように意図的に素材感をずらしたアイテムを取り入れることで、装い全体の見え方を調整することができます。

ただし、装い全体のまとまりを考えると、素材感の差はあくまで「ずらす」程度にとどめることが大切です。上の画像でいえば、光沢のあるスーツのパンツを合わせてしまったりすると、どうしてもパンツが浮いて見えてしまいます。素材感があまりに違うものを持ってきてしまうとダメ、ということです。

また逆に素材感を合わせすぎることが、オシャレに見せるという意味では逆効果な場合もあります。

例えば冬物のツイードのジャケットに同じような生地のパンツを合わせるとかなりカントリーな感じになるでしょう。場所にもよりますが、都会でこういう格好でいるとコスプレのような感じになり、オシャレには見えづらいかと思います。

取り入れるならまずは主張の弱いものから

素材感を「合わせる」ことと「ずらす」ことで、装いの印象を調整できることをみてきましたが、実際にはもっと細かい素材感の調整がなされることも多いです。プロともなれば、素材感の差を意図的に使いこなすめに、例えばグレーのスラックスの素材感を少しずつかえて何十本も持ってたりするんじゃないかと思います。

私のような素人でかつあまりお金もない人は、当然そんな真似はできません。そのためワードローブを充実させるまでは、素材感の主張が強いものを買うのは後回しにして、主張の弱いものから揃えていくのが良いと思っています。

例えば冬物のジャケットで言えば、ツイードでガッシリしたものやコーデュロイでカントリー調のもの、逆にカシミアで光沢感が強いものだと、合わせるアイテムの幅は狭まります。そのため冬物であってもフランネルやサキソニーのほうが、合わせるアイテムの幅が広くなります。

素材感の主張の強いアイテムの魅力もありますし、ツイードが好きで毎日着るんだ!という場合は勿論OKですが、限られた予算で色々なコーディネートを楽しみたいという場合は素材感の主張の弱いものから揃えていく方がおすすめです。



今日は素材感について書いてみました。これだけ考えてもコーディネートが難しくなってきますが、他にも色合わせとかアイテムそのものの持つ雰囲気とか考えることは多いです。

勿論そういうのを考えるのがファッションの大きな楽しみの一つですが、かといってこれらにこだわりすぎて面倒くさくなってしまってはファッションが楽しめなくなってしまいます。

素材感についても何でも、こだわればキリがなく、その分お金もかかりますが、楽しむ上で大切なのはあまり他人と比較しすぎず、緩く楽しむことだと思います。

その上で昔の自分と比較して、ちょっとオシャレになったなー、と感じられたらOKじゃないでしょうか。今日はこんなところです。ではでは。