こんにちは。今日は、前回、開封の儀を執り行ったオリエンタルのアルバースの外観レビューをお届けします。前回の記事はこちら。
目次
- カジュアルではなく、エレガント
- 表情豊かなKUDUスエード
- 張り出しの小さいコバ
- サドルの窓はベーシック
- 内側はアンラインド
- カカトを抜けにくくするヒールカップ
- ソールはダイナイト
- 個人的には名作以上のデザイン
カジュアルではなく、エレガント
まずは全体写真を。
ローファーというのは革靴の中でもカジュアルな部類ですし、特に履き口の広いローファーはカジュアル度合いが強めとされています。
しかし私はこのアルバースのフォルムを見ると、カジュアルさよりもむしろエレガンスを感じるのです。
履き口が広くて甲がほとんど露出する革靴はパンプスといって主に女性向けに売られていますが、男性用革靴でもオペラパンプスというものがあります。
画像は下記サイトから拝借しました
https://onlinestore.barneys.co.jp/men/men_shoes/men_shoes_loafers/2204302.html
普通の人は自分の結婚式にすら履かないだろうという代物で、男性用革靴でもっとも格式高いのではと思いますが、アルバースのシルエットはこれに通ずるものがあるように思います。
靴の幅の1番広いところがかなり前よりにあるのが、オペラパンプスに通ずるエレガンスを生み出しているのだと思います。
ブランドのオリエンタルさんとしては、アルバースにエレガンスという意味づけはしてないようなので、私が勝手に感じているだけだと思いますが、私かアルバースを気に入った1番のポイントはこのフォルムにあるのです。
表情豊かなKUDUスエード
この靴の特徴のひとつがKUDUスエードという素材です。アルバースのスエードモデルはインラインにもありますが、このような感じ。
画像は下記サイトから拝借しました
500 ALBERS unlined #Suede dark brown (FG-3515) – ORIENTAL
落ち着いたブラウンで、毛足も短く、使いやすそうなスエードです。
一方、このKUDUスエードはインラインのモデルではなく、World Footwear GalleryさんやTrading Postさんでしか取り扱ってないモデル。
KUDUは鹿っぽく見えるけどウシ科の動物。そのスエードの特徴は、長くて柔らかい毛足です。上のインラインモデルの画像と比べても、KUDUスエードの方がより表情のあるスエードであることがわかります。色も明るめですね。
ただ、インラインの、言ってしまえば普通のスエードも、これはこれで良いと思います。特にビジネスでジャケパンに合わせて履く場合には、馴染みやすいのはクリアな表情のインラインのものでしょう。
今回、スエードモデルを買うのは決めていましたが、私のアルバースの用途の第一はビジネスですので、インラインのモデルも良いかなと思いました。
そこをあえてKUDUスエードを選んだのは…あまり深い理由はないです(笑) 馴染みの靴店であるWFGさんで扱っているのがKUDUモデルのみで、東京都のキャンペーンを活かせるのも理由でした。
もし両方選べたとしたら…多分「せっかくだから」という理由で、展開店舗限定のKUDUを選んでいたと思います(笑)。
ちなみに、スエードというと冬の素材と捉える方もおられるかもしれませんが、私は「春夏に履くと春夏っぽく、秋冬に履くと秋冬っぽく」見える素材かなと思ってます。大変都合の良い素材だと思います。
張り出しの小さいコバ
では、靴の細部を見ていきたいと思います。まずトゥのアップの画像。
最初に見てもらいたいのはコバです。グッドイヤーウェルト製法ですが、コバの張り出しはかなり小さいです。これも上で述べたエレガンスに通ずるポイントだと思います。
ローファーを特徴づけるモカ縫い部分ですが、ステッチは「精密」とか「繊細」という感じではないですね。スエードでアンラインドという仕様ゆえかもしれませんが、職人技が冴える!という感じではないかなと。
少し目立つのがモカ部分の色ですね。こちらは合わせモカ(拝みモカ)となっており、モカ部分には革の断面が現れている都合で、ここには明るい色が出ているようです。インラインのスエードモデルよりも、より明るく目立って見えます。
ここをどう捉えるかは、この靴を買う上でのポイントでした。ちょっとカジュアル度合いが強くなりすぎだろうかと思ったのですが、KUDUスエードの風合いには魅力を感じでいましたし、ちょっとしたアクセントと捉えれば良いかなと考えて購入しました。
サドルの窓はベーシック
続いてローファーの顔を印象づける、サドル部分を。
サドルにあいている窓のかたちは、ごくベーシックなものだと思います。この画像だと寄りすぎでよくわかりませんが、大きさも中庸かなと思いますね。
例えばクロケット&ジョーンズのコインローファーのボストン2は、シュッとした窓で、窓というより切れ目という感じ。
まぁ、この窓のかたちで、特定のスタイリングに合いやすい・合いにくいという特徴が出るほどではないと思いますが、奇をてらったもではないのは確かです。
内側はアンラインド
カカト側からの画像です。
靴の内側はアンラインド、内張の無い仕様となっています。
内張がないことで柔らかく履きやすい靴になるのがメリットです。履いた時の見た目は内張ありと変わらないですね。
デメリットとしては多分、内張ありに比べて耐久性に劣るのだと思います。更にこの靴は柔らかいスエードなので、ヘビロテすると傷みやすいかもしれません。縫い目から裂けてくる、ということもあるかも。
また、一概にメリット・デメリットとは言い難いですが、革が伸びやすいというのもあると思います。
そのためシューツリーを入れるかどうか悩んでいます。シワを伸ばすといってもアッパーが小さいのであまり意味が無さそうだし、変にアッパーの革が伸びても困るなぁと。買って1ヶ月ほど経ちますが、今は入れてないですね。
カカトを抜けにくくするヒールカップ
続いて、靴をサイドから見てみます。
ソールの返りの位置から、靴の重心がかなり前側にあることが改めてわかりますが、カカトにも注目。ヒールカップのフチがかなり前に傾けられています。
履き口が広くなることで脱げやすくなるのですが、このようにカカトの形状を工夫することで、脱げにくくしているのだと思います。
あと、サドルの窓の部分がしっかり切り抜かれているのが、なんとなく面白いですね。
カカトを後ろ側から。やはり履き口はかなりすぼまっています。
ステッチはちょっと歪んでますね。私はこの辺は気にしませんが、人によっては気になるかもしれません。ただ、スエードのアンラインドなんでかなり柔らかいですから、こんな感じになるのかも。
履き口を上から見ても、カカト側がかなり絞ってあるのがわかります。これはアルバース独特というよりは、最近のローファーにはよく見られる形状ですが、ここでもカカトが抜けにくいように作ってあるのがわかります。
また、履き口は表革でパイピング処理がされています。補強と、履きやすくするのと、両方の効果があるものと思います。
ソールはダイナイト
最後にソールですが、ダイナイトソールです。
エレガントとかいいつつ、ダイナイトかよ、と思われる方もいらっしゃると思いますが、コバの張り出しも小さいので、ソールがデザインの邪魔になっているとは思わないですね。
ちなみにKUDUスエードモデルの取り扱いはTrading Postさんでもありますが、そちらはレザーソールです。
スエード+ラバーソールで、防水スプレーをすれば雨の日もバッチリ、とはいかないと思います。そもそも履き口が広いので濡れやすいと思いますし、アンラインドというのもなんとなく雨に弱そうです。私も雨の日に履くつもりはなくて、晴れの日用にしようと思ってます。
個人的には名作以上のデザイン
御託を並べてみましたが、一言でいうとこの靴はカッコいいですよ。
勿論、靴に限らず、買ったものは全部カッコいいと思って買ってるんですが、自分の中ではウエストンの180とかジョンロブのロペスのようないわゆる「名作」と呼ばれるローファー以上にカッコよくみえるんです。
それらに比べるとやはりパンプスっぽい感じが強いのが、自分の嗜好に合っているのだと思います。例えばジーンズに合わせるにしても、180よりアルバースの方が、自分のスタイルには合うんじゃないかな、と思うんですよね。まぁ、そこまで言うならもっと早く買っとけよって言われそうですが(笑)
ステッチの精巧さや素材なども含めたトータルで見てどうこうということではないので、そこは誤解なきようお願いします。あくまで私の見た目の好みの話です。
ちなみに、ORIENTALさんの直販サイトで年明けからずっとアルバースのブラウンのシボ革モデルがセールで4万円くらいなんですよ。マイサイズあるんですけど、ブラウンのシボ革のコインローファーってもろアドニスと被っちゃうんで買えないんです。
アドニス持ってなかったら絶対そっち買ってますね(笑)
今回はアルバースの外観レビューをお届けしました。個人的には非常に見た目麗しいローファー だと思います。感じ方はともかく、オリエンタルさんの中でもアイコン的存在になっていることからして、デザインには多くの方が魅力を感じておられるのではないでしょうか。
そんなアルバースにKUDUスエードという表情豊かな素材とアンラインドという仕様をまとったこのモデル。ややカジュアルなタイドアップからオフの日のジーンズスタイルまで、色々なコーディネートが気軽に楽しめそうに感じています。
ただ、実際に履いてみるとちょっとクセがあるところもあり…履き心地については回を改めて書きたいと思います。ではでは。